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先日CNNでラリーキングライブを見ていて大変面白かった。登場人物はアメリカでも有名な脳の専門家ばかり5人が出てきてラリーの質問に分かりやすく答える。
40年前の斎藤が神経症真っ盛りの頃と違って、彼等は心の問題に対して最新の脳科学で説明しようとする。加藤諦三のような19世紀的ロマンで語る人は誰もいなかったが、ただ一人セラピストをする人物が多少近いニュアンスで語っていた。 ある女性の専門家は前頭前野皮質と大脳辺縁系との連結回路は圧倒的に辺縁系から前頭前野皮質への一方通行と述べていて、如何に理性で感情、恐怖をコントロールすることが難しいか納得させられた。もう一人の専門家は、心の問題を解決すると脳全体の機能が驚くほど改善すると述べていて、私と意見が一致したのでこのページを書く気になった。私も神経症当時の自分と比べて、殆ど別の人物ではないかと見まごうばかりの変化を経験している。 その第一の変化は脳の判断の正確さである 神経症の当時は何を見るのも強迫観念の色眼鏡を通して見ていた。当然入力される情報は偏っているし、しかもそれを判断する脳がもう一度間違ってしまうから出てくる結果は悲惨なものだった。仕事は間違いだらけであり、人間関係は最悪になり、焦りから強引な結論を導いて仕事の質はさっぱりと言うことになる。自分のいる場所がなくなり、短期間に仕事を次々と変えた。収入は当然最低を維持し、48歳の時に劇的変化を迎える前まではボーナスらしいボーナスをもらったことがなかった。 文字を書くスピードが遅くなり丁寧になったこと 前は漢字が嫌いなものだからいい加減な文字を殴り書きして、後で読む時自分でさえ判読出来なかったが、最近はこれはと思うものを丁寧にメモを取る習慣が出来て来た。 日ごろの雑務の処理が丁寧になったこと 強迫観念の妨害がないから現在の作業に注意が向き、それを賞味しながら処理している。従って無駄がないばかりでなく、作業の質が向上し生活環境の改善が著しい。 迷うことが少なくなったこと 神経症の最中は常時鬱状態であり、この中で物事を判断して決定するのは大変難しい。今は迷っても動きが停止することがないから、気がついたら次の作業に入っている。作業の間にも私の無意識脳は判断の詰めの作業をしているのだろう。はっと気がつくとさっき迷っていたものがすっきり整理されて明確な結論を出していることが多い。神経症者はこの判断の先延ばしが出来ないでパニックになる人が多いと思うが、それは心の病気がそうさせているのです。 我々は全て意識で判断しているようであるがそうではない。最新の脳科学によると記憶は寝ている間に脳に固定されると言う。例えば、試験前に詰め込み勉強をして、その後寝たグループと寝なかったグループを比べると、明らかに寝たグループの方が試験の結果が良いと出ている。寝れば記憶が薄れると我々は考えそうであるが、実は寝ている間に我々の脳では短期記憶を長期記憶に移し変えているのだ。 無意識もそうだ。我々は意識で全てを処理しているようであるが、実は意識していない部分でも脳は大変な活躍をしている。天才は夜寝るときに枕元にメモ帳を置いておくと聞いたことがある。寝ている間にはっと気がついたインスピレーションを忘れないうちに書き留めるためだと言う。このような経験は何も天才ばかりでなく、普通の人間でもあるのを斎藤自身の経験で確認している。 良いアイデアが出てくる 神経症者ではアイデアを意識で無理にひねり出そうとしていると思う。しかし本当の良いアイデアは無意識からほとばしり出てくる。無意識から出たアイデアは押し付けがましくないから、それを実行に移しても無理が生じない。しかも意識でひねり出してないからエネルギー消費は最小で、その分脳は日常の煩雑な雑務処理に向けることが出来る。 人生の色が灰色一色から虹色になる 少し表現が下手であるが、要は神経症の時の色は灰色だけであるが、神経症が治ると千変万化の虹の色合いになると言うことだ。掲示板に嫌がらせを書く連中の内容は決まっていて、斎藤はもてないだろう、さびしいだろう、一人暮らしでセックスに不自由しているだろうである。この見方を神経症者の灰色世界観と言い、人間の膨大な可能性に対して盲目になっている。健康な人生を生きるとは、言葉で表現が出来ないほど変化と喜びに満ちていている。 英語で言えば文法ばかりにこだわりさっぱり会話が出来ない人に似ている。英語をしゃべるとは我々の生き様であり宇宙であるのだ。 前頭前野皮質の動きが鎮静化すること ラリーキングでのある専門家は、強迫行為の患者の脳では前頭前野皮質が猛烈に活動していると言っていた。 私はこれこそ神経症の本質を突いていると思う。現在の私の前頭前野皮質は静まり返っていて必要な時にだけ私に重要なヒントを与えてくれるが、後は殆ど無意識で作業をこなしている。 神経症者の多くは考えまくり、判断不能に陥り一日中家に閉じこもっている場合が多い。こうなった人達は最早、無意識の活性化のような悠長なことをやっている余裕がない。麻薬中毒患者のように一刻も早く不安を取り去る薬、情報に飢えている。そして不思議に何処からか情報を仕入れてきて一時の安心を得るが直ぐに不安は再発し、情報探しにまた出かける。この強迫行為の繰り返しをしながら大半の神経症者は人生を終わってしまう。 さあ、貴方は神経症アヘン窟から出られるであろうか。現実は大変難しいと私は見ている。 ホームページへ |